

鮨奥ノ、
江戸前育成寿司に
込めた思い
ハレの日に楽しむ、特別な物語

中村大将(左)板前櫻井(右)
「今の時代に求められているのはどのような鮨店だろう」と、わたしたちは長らく考えてきました。気軽に楽しむことができる食の選択肢は豊かに広がっていますが、お祝いやご褒美といった人生の中のハレの日に、敷居は低く、本格的な料理を味わうことができるお店は限られています。ほんの少し前まではどのまちにもあったような、家族で営む本格的な鮨店の味と温もり。その存在感に近づくことを思い描きながら、若い世代の方にも気負わずお越しいただけるハレの日のお店として、志を同じくする仲間が知恵と技術を持ち寄って開業いたしました。お品書きは、フリーフロー付きのおまかせ鮨のみ。コースを幸せな物語に見立て、鮨の本質は崩さず、特別な日にふさわしい鮨とおもてなしをプロデュースいたします。
江戸前育成鮨を味わう
熟成や発酵が進み、魚に旨みが増していくことを、鮨業界ではしばしば“熟す”と表現します。わたしたちはそうした変化を“育成”の視点で捉え直しました。水揚げから独自の技術で加工や保存をほどこし、育て、成長させたものをお店で丁寧に仕上げる。これが鮨奥ノの「江戸前育成寿司」です。北海道、福岡・博多などの港から産地直送で届く魚を厳選し、季節によって移り変わる品揃えをお楽しみいただけます。
もうひとつ、わたしたちの鮨の特徴としてお伝えできるのは、縁ある漁師さんから譲り受ける貴重な地魚。輸送の課題などにより市場に出回ることがなかった地魚を、江戸前育成寿司としてお召し上がりいただくことができます。美味しさはもちろんこと、サステナブルな食のあり方に思いを寄せるときにも、「この一食を選んだことが世の中を明るくする」と感じていただける鮨を目指しています。

鮨で心を通わせる

わたしたちの信念は、鮨を通して心を通わせることにあります。板前が腕をふるうカウンターでお召し上がりいただく鮨は、心を通わせる唯一無二の食べ物。お客様の期待を受け取り、特別な日にお選びくださった感謝を伝える。日常とは違うひとときを体感いただけるよう、鮨奥ノならではの心を込めたおもてなしをご用意しています。
そして、その美味しい鮨には、命懸けで魚を獲ってくださる全国各地の漁師さんの存在が欠かせません。例えば、産地の様子をお客様にご紹介したり、お客様からいただいた声を漁師さんにお届けしたり…。生産者、お客様、そしてお店でお迎えするわたしたち、それぞれの思いを鮨でつなぐ、架け橋になっていくことがわたしたちの使命です。